電源がない現場でも使える手動式伸縮コンベヤとは?重力を利用して荷下ろし作業を省力化

著者 徳永 一雄

物流現場によっては、「プラットホームがない」だけでなく、「コンベヤを使いたい場所に電源設備がない」というケースがあります。

また、屋外でデバンニングを行う現場では、電源工事を行うこと自体が難しい場合もあります。そのような現場で利用できるのが、手動式伸縮コンベヤ(手動式デバンニングコンベヤ)です。

電源を使用しないフリーローラー方式

一般的な伸縮コンベヤは、モーターでベルトを駆動して商品を搬送します。一方、手動式伸縮コンベヤはフリーローラーを採用し、電源を使用せず、商品の自重と重力を利用して搬送します。

  • 電源設備がない
  • 屋外で使用したい
  • 電気工事を行いにくい
  • よりシンプルな設備を使用したい

コンテナの奥まで伸ばして使用

手動式伸縮コンベヤは、伸縮部分をコンテナ内へ伸ばし、作業者の近くまで搬送面を持っていくことができます。荷下ろしが進むにつれてコンベヤを短くしていくことで、作業者が荷物を持ってコンテナ内部を長距離移動する必要を減らせます。

プラットホーム・電源がない現場での導入例

ロジアスジャパンでは、埼玉県のプラットホームがない現場に手動式伸縮コンベヤを導入しています。この現場では、晴天時に屋外でデバンニング作業を行っており、作業場所には電源設備がありませんでした。

従来は、フォークリフトにパレットを載せてトラック荷台付近まで移動させ、作業者がトラック荷台内の商品を手作業でパレットへ積み替えていました。この方法では、作業者が荷台奥から入口付近まで商品を持って何度も移動する必要がありました。

手動式伸縮コンベヤ導入後は、コンベヤをトラック荷台の奥まで伸ばし、商品をその場でフリーローラーへ載せられるようになりました。商品を載せた後の搬送は重力を利用して行えるため、トラック荷台内の歩行距離と商品の手運びを大きく減らすオペレーションへ変更できました。

「完全自動化」ではなくシンプルな省力化

手動式伸縮コンベヤは、ロボットのように商品を自動で取り出す設備ではありません。作業者が商品をコンベヤへ載せる工程は残ります。

一方で、その後の商品の移動を重力によって行うため、人が商品を運ぶ工程を設備に置き換えることができます。複雑な制御システムや電気工事を必要としないため、「大規模な自動化までは必要ないが、現在の手荷役を改善したい」という現場にも適しています。

プラットホーム・電源がない現場でも省力化できる

物流設備の自動化というと、最新のロボットや大型設備をイメージしがちです。しかし、現場によってはシンプルな設備を導入するだけでも作業環境を大きく改善できます。

手動式伸縮コンベヤは、「プラットホームがない」「電源もない」「それでもデバンニング作業を楽にしたい」という現場に適した選択肢の一つです。

実際の導入事例は手動式伸縮コンベヤの導入実績でご紹介しています。手動式伸縮コンベヤの仕様やご導入のご相談は、お問い合わせよりお気軽にお寄せください。

徳永 一雄
著者情報

徳永 一雄

株式会社ロジアスジャパン 代表取締役 CEO

物流コンサルティングを通じて数多くの現場に携わり、2019年に株式会社ロジアスジャパンを設立。大型シーリングファンや伸縮コンベヤをはじめとする物流機器について、機器選定・配置計画から現地調査・施工・アフターサポートまでを一貫して手がけています。天井クレーン上部や斜め梁、テント倉庫など、構造上の制約がある難設置現場への導入実績も多数保有しています。

保有資格:ロジスティクス経営士/ロジスティクス管理スペシャリスト/MH(マテリアル・ハンドリング)技術管理士/ITコーディネータ ほか