大型シーリングファン(HVLSファン)の効果とは?倉庫・工場で期待できる効果を解説

著者 徳永 一雄

物流倉庫や工場などの大空間では、夏場の暑さ対策や熱中症対策、空調効率の改善が大きな課題となります。

その対策のひとつとして導入が増えているのが、大型シーリングファン(HVLSファン)です。HVLSとは「High Volume Low Speed」の略で、大きな羽根を低速で回転させることで、大量の空気をゆっくりと循環させるファンを指します。

一般的な小型扇風機のように一部分へ強い風を送るのではなく、広い空間全体に大きな気流を生み出せることが特徴です。ロジアスジャパンでは、倉庫・工場・物流センター向けの大型シーリングファンとして「エミアスファン」をさまざまな施設へ導入しています。

本記事では、大型シーリングファンを導入するとどのような効果が期待できるのか、実際の導入現場での経験を交えながら解説します。

大型シーリングファンの主な効果

1.作業者の暑熱・熱中症対策

大型シーリングファンを使用すると、広い範囲に継続的な気流を生み出すことができます。人の身体に風が当たることで汗の蒸発が促され、実際の室温そのものを大きく下げなくても、体感的な暑さを和らげる効果が期待できます。

特に物流倉庫や工場では、次のような条件が重なりやすく、大型シーリングファンによる気流形成が有効です。

  • 天井が高い
  • 床面積が広い
  • シャッターの開閉が多い
  • コンテナやトラックから熱気が入る
  • 空調だけでは全体を冷やしにくい

エミアスファンは物流センターや製造工場だけでなく、アミューズメント施設など、さまざまな用途で採用されています。

2.広い空間に気流を届けられる

大型シーリングファンの大きな特徴は、一台で広い範囲に風を届けられることです。ロジアスジャパンでは、単にカタログ値だけで配置を決めるのではなく、実測した風速データをもとに設置台数や配置をご提案しています。

実際の案件では、設置梁高さFL+10m、羽根高さFL+7m、測定高さFL+1.5mという条件で風速を測定し、その実測値を用いてカバー範囲を説明しています。

大型シーリングファンは「大きければよい」というものではなく、天井高さ、羽根高さ、梁やラックの位置などによって、床面で得られる気流が変わります。そのため、導入時には実際の建物条件に合わせた機種・台数・配置の選定が重要です。

3.空調効率の改善・省エネ

天井の高い倉庫や工場では、暖かい空気が天井付近にたまり、床面付近との温度差が大きくなることがあります。大型シーリングファンによって上下方向の空気を循環させることで、空間内の温度ムラを抑えやすくなります。

冷房時には冷気を広い範囲へ循環させ、暖房時には天井付近にたまった暖気を床面方向へ循環させることで、空調設備を補助する役割を果たします。

ただし、空調設備の能力や建物構造によって効果は異なるため、単純に「○%電気代が下がる」と一律に言えるものではありません。導入効果を検討する際には、建物の高さ、空調設備、開口部、稼働時間などを総合的に確認することが重要です。

4.結露や床面の湿気対策

大型シーリングファンは、空間内の空気を動かし続けるため、場所によっては結露や湿気対策にも活用されています。空気の滞留を抑え、床面に気流を届けることで、水分の蒸発を促す効果も期待できます。

一方で、結露の原因は温度・湿度・建物断熱・外気流入など複数あるため、大型シーリングファンだけですべての結露を解消できるわけではありません。

5.大型施設でも少ない台数で対応しやすい

一般的な小型扇風機の場合、広い物流倉庫では多数の機器が必要になります。大型シーリングファンは一台あたりのカバー範囲が広いため、大空間でも比較的少ない台数で気流を形成しやすいという特徴があります。

ただし、必要台数は単純に床面積だけでは決まりません。ラック、間仕切り、設備、梁、照明、ケーブルラックなどによって気流が遮られるため、現場ごとの検討が必要です。

導入効果を高めるには「設置高さ」が重要

大型シーリングファンを設置する際は、羽根の位置が非常に重要です。実際の案件でも、照明、ケーブルラック、大梁、小梁、クレーン、火災報知設備などとの干渉を確認しながら、延長ロッドの長さを変更して羽根高さを調整しています。

エミアスファンでは、現場の障害物を回避できるよう、延長ロッドの選定によって本体高さを調整することが可能です。そのため、大型シーリングファンの導入では「どの商品を買うか」だけでなく、「どの高さ・どの位置に設置するか」まで検討することが重要です。

ロジアスジャパンの大型シーリングファン「エミアスファン」

ロジアスジャパンでは、倉庫・工場・物流センター向けに大型シーリングファン「エミアスファン」を提供しています。

単にファン本体を販売するだけでなく、図面確認、現場条件の確認、機種選定、配置検討、風速データによる説明、梁や設備との干渉確認、設置工事まで、現場条件に合わせて対応しています。

「自社の倉庫では何台必要か分からない」「天井が高いが効果があるのか知りたい」「照明やケーブルラックがあるが設置できるか」といった段階からでもご相談いただけます。

実際の導入事例は大型シーリングファンの導入実績でご紹介しています。エミアスファン(大型シーリングファン)の仕様やご導入のご相談は、お問い合わせよりお気軽にお寄せください。

徳永 一雄
著者情報

徳永 一雄

株式会社ロジアスジャパン 代表取締役 CEO

物流コンサルティングを通じて数多くの現場に携わり、2019年に株式会社ロジアスジャパンを設立。大型シーリングファンや伸縮コンベヤをはじめとする物流機器について、機器選定・配置計画から現地調査・施工・アフターサポートまでを一貫して手がけています。天井クレーン上部や斜め梁、テント倉庫など、構造上の制約がある難設置現場への導入実績も多数保有しています。

保有資格:ロジスティクス経営士/ロジスティクス管理スペシャリスト/MH(マテリアル・ハンドリング)技術管理士/ITコーディネータ ほか